運輸業・一般貨物自動車運送 データ提示型 関係構築型 No.94

3〜15%の運賃転嫁を実現

Y社(一般貨物自動車運送業(兵庫県・従業員280名))

この事例のポイント

コスト上昇要因

エネルギー・光熱費・人件費・労務費

交渉手法

データ提示型・関係構築型

活用ツール・支援機関

近畿経済産業局

定量的な成果

運賃3〜15%転嫁

段階的運賃改定/荷主別交渉/燃料データ

出典より

近畿経済産業局 価格交渉・価格転嫁取組事例集 ↗

※ 本事例は出典をもとに編集・再構成しています。社名はイニシャル表記にしています。

当時の課題

  • 燃料費高騰と人件費上昇で経営が圧迫。
  • 荷主との交渉力の弱さが課題。

取組概要

  • 燃料費の推移データと人件費の上昇根拠を整理し、荷主ごとに交渉。
  • 段階的な運賃改定を提案。

成果概要

  • 3〜15%の運賃転嫁を実現。

副次効果

荷主との継続的な対話体制の構築

森岡誠

森岡誠の解説

価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー

一般貨物自動車運送業で、燃料費高騰と人件費上昇という二重コスト増に直面しながら、荷主との交渉力の弱さを感じている経営者に読んでほしい事例です。荷主ごとに段階的な改定を提案し、3〜15%という幅のある転嫁を実現しました。

3〜15%という幅は、荷主ごとの交渉結果の差を示しています。全荷主が一律の結果にならないのは当然であり、荷主の規模・取引量・契約条件・関係性によって合意できる水準が異なります。この幅の存在は、「準備と関係性によって結果は変わる」という現実を示しており、より良い準備と関係構築への投資の重要性を示唆しています。

「段階的な運賃改定を提案した」という方法は、荷主側の負担を分散させながら必要な改定を実現する現実的な手法です。一度に大きな値上げを求めるより、「今期はここまで、来期は追加でここまで」という段階設計が、荷主の合意を得やすくします。関係維持と価格改定の両立には、時間軸の設計も重要な要素です。

燃料費の推移データと人件費の上昇根拠という、二種類のコストデータを組み合わせた点も重要です。一種類の根拠より、複数の根拠が重なることで、「コスト上昇は多面的で避けられないものだ」という理解が促されます。単一の値上げ理由より、構造的なコスト増の全体像を示すことが、交渉の説得力を高めます。

※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →

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