サービス業・事務所給食・料理品小売 データ提示型 関係構築型 No.87
食材価格推移データの提示で給食単価を改定
I社(事務所給食業・料理品小売業(栃木県・従業員625名))
この事例のポイント
コスト上昇要因
原材料費
交渉手法
データ提示型・関係構築型
活用ツール・支援機関
栃木県工業振興課
食材原価/推移データ/品質維持
当時の課題
- 食材費の高騰に対し給食単価の据え置きが続き、利益率が低下。
取組概要
- 食材の仕入価格推移データを月次で整理し、顧客企業に対して給食単価の改定を提案。
- 食材の品質維持と安定供給を約束しつつ交渉。
成果概要
- 給食単価の改定を実現。
- 食材品質の維持も達成。
副次効果
月次の仕入価格モニタリング体制の定着
森岡誠の解説
価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー
事業所給食・料理品小売業で、食材費の高騰に対し給食単価の改定を顧客企業にどう交渉するか悩んでいる経営者に読んでほしい事例です。「月次で整理した食材仕入価格の推移データ」という継続的な記録が、交渉の根拠になりました。
給食事業での価格交渉が難しい理由の一つは、「毎月少しずつ上がっている」変化が顧客企業に見えにくいことです。月々の小幅な上昇は感覚としてわかりにくいですが、グラフで可視化することで「6ヶ月前と比べてこれだけ上がっている」という変化の大きさが伝わります。継続的なデータ記録が、説得力ある根拠を生みます。
「食材の品質維持と安定供給を約束しつつ交渉した」という点も重要です。顧客企業にとって給食サービスは、従業員の毎日の食事という日常業務に直結するものです。価格が上がることへの懸念より、「品質が落ちる」「安定して提供されなくなる」という不安の方が大きい場合があります。「価格は上がるが、品質と安定性は維持する」という約束が、価格改定への理解を引き出します。
関係構築型の交渉手法は、長期的な契約関係にある事業所給食では特に重要です。顧客企業との信頼関係を維持しながら適正な対価を得ることが、事業の継続を支えます。価格だけでなく、サービスの継続性と品質を一緒に語ることが、BtoB給食事業での価格転嫁の基本姿勢です。
※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →