サービス業・飲食 関係構築型 付加価値型 No.43

「1,000円以内」の価格維持で、継続来店を実現

C社(カフェ運営)

この事例のポイント

コスト上昇要因

原材料費

交渉手法

関係構築型・付加価値型

活用ツール・支援機関

1,000円以内設計・限定メニュー・口頭説明

顧客心理上限価格設計来店頻度

出典より

経済産業省 中小企業庁「業種別 価格交渉・価格転嫁 成功事例集」 ↗

※ 本事例は出典をもとに編集・再構成しています。社名はイニシャル表記にしています。

当時の課題

  • パンや酒などの原材料費が高騰し従来の2価格帯でのサンドイッチ提供が困難に。
  • 持続可能な経営のため価格統一を含めた抜本的な見直しが必要。

取組概要

  • 昨年後半にサンドイッチの価格を650円に統一。
  • ドリンクと合わせて「1会計1,000円以内」という価格基準を守り地元客が週2回来店できる状況を維持するための設計。
  • 常連客には価格変更に至った事情を口頭で説明し理解を得ながら進めた。
  • サンドイッチの値上げで経営の安定性が高まるとともに価格統一で商品管理もシンプルになり運営効率も改善。
  • 月替わりの期間限定メニューをスタッフ3人で開発するなど価格以外の価値提供に注力。

成果概要

  • 「1会計1,000円以内」というコンセプトを維持できたことで常連客の来店頻度への影響を抑えた。
  • 地方店舗では顧客との距離感が近く積極的な会話が来店につながる。

副次効果

来店頻度維持・顧客関係深化

森岡誠

森岡誠の解説

価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー

地方の飲食店で、原材料費の高騰と常連客の来店頻度維持という二律背反の課題に直面している経営者に、読んでほしい事例です。「1会計1,000円以内」という価格の上限を守り続けることで、常連客の生活習慣に組み込まれた店になった事例です。

この事例の最も学ぶべき点は、「誰のために、どんな使われ方をされている店なのか」を明確に定義してから、価格設計をした点です。「週2回来店できる状況を維持するための設計」という言葉は、顧客の生活導線の中に自分の店を位置付ける発想から生まれています。価格を設定する前に、まず「自分の店の社会的役割」を明確にする——この思考の順序が価格設計の質を決めます。

価格変更に際して常連客に口頭で説明したという点も重要です。飲食店での値上げは、告知なしに行われることも多い中、丁寧に説明することで「こちらを大切にしてくれている」という信頼感が生まれます。地方店舗では顧客との心理的距離が近く、この誠実なコミュニケーションが来店頻度の維持に直結しました。

価格統一による商品管理のシンプル化という副次効果も見逃せません。650円という一本化は、価格設定の煩雑さを解消し、スタッフ全員が明確な基準で動ける体制を作りました。価格転嫁は顧客への影響だけでなく、社内オペレーションの改善にもつながります。

※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →

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