運輸業・一般貨物自動車運送 データ提示型 制度活用型 No.86

燃料サーチャージと人件費データで運賃改定を実現

S社(一般貨物自動車運送業・普通倉庫業(栃木県・従業員99名))

この事例のポイント

コスト上昇要因

エネルギー・光熱費・人件費・労務費

交渉手法

データ提示型・制度活用型

活用ツール・支援機関

栃木県工業振興課

燃料サーチャージ/人件費データ/2024年問題

出典より

栃木県価格転嫁好事例集 ↗

※ 本事例は出典をもとに編集・再構成しています。社名はイニシャル表記にしています。

当時の課題

  • 燃料費高騰と2024年問題による人件費上昇が経営を圧迫。

取組概要

  • 燃料サーチャージ制度を導入し燃料費変動を運賃に自動反映。
  • ドライバー人件費の上昇データも提示して運賃の包括的な改定を交渉。

成果概要

  • 燃料サーチャージ導入と運賃改定を実現。

副次効果

ドライバーの待遇改善

森岡誠

森岡誠の解説

価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー

運輸業(一般貨物)で、燃料費の変動と2024年問題による人件費上昇に対して、どう運賃に反映させるかを検討している経営者に読んでほしい事例です。燃料サーチャージという「自動反映の仕組み」と人件費データの組み合わせが、包括的な運賃改定を実現しました。

燃料サーチャージ制度の最大の利点は、「毎回交渉する必要がない」という点です。燃料価格の変動に連動して運賃が自動的に調整される仕組みを最初に合意しておくことで、燃料費が上がるたびに交渉の場を設ける手間が省けます。一度の交渉でルールを作ることが、長期的なコスト管理の自動化につながります。

燃料費と人件費という、性質の異なる二種類のコスト上昇を「セットで交渉した」点も注目に値します。燃料費の変動データと人件費上昇の実績データを組み合わせることで、「コストの全体像」を示せます。「燃料費だけ」「人件費だけ」という個別の交渉より、包括的なコスト構造の提示が、より大きな運賃改定を引き出しやすくします。

2024年問題という時代背景を交渉に活用した点も重要です。法令遵守のために必要な運賃水準という文脈は、荷主側にとっても「社会的に受け入れるべき変化」として理解しやすいものです。外部環境の変化を自社の要求と結びつける説明が、交渉の説得力を高めます。

※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →

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