建設業・リフォーム工事 データ提示型 制度活用型 No.85
変動条項付き契約でリフォーム業の資材高騰リスクを回避
E社(リフォーム工事業(栃木県・従業員19名))
この事例のポイント
コスト上昇要因
原材料費・その他
交渉手法
データ提示型・制度活用型
活用ツール・支援機関
栃木県工業振興課
変動条項/リスク説明/契約形態変更
当時の課題
- 建設資材・設備機器の価格高騰で見積時と施工時の価格乖離が発生。
取組概要
- 見積段階で資材価格の変動リスクを顧客に丁寧に説明。
- 価格改定条項を含む契約形態に変更し、見積有効期限も短縮。
成果概要
- 適正な工事価格での受注を実現。
- 見積もりと実コストの乖離を解消。
副次効果
リスクを含めた適正見積もりの定着
森岡誠の解説
価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー
建設業(リフォーム工事)で、見積時と施工時の資材価格の乖離により実質的な赤字工事が発生している経営者に読んでほしい事例です。「変動条項付き契約への変更」という仕組みの転換が、リスクの構造的な解消につながりました。
リフォーム工事は見積から施工まで数ヶ月かかることが珍しくありません。その間に資材価格が上昇した場合、固定価格での契約では差額が全て自社負担になります。この「時間的リスク」を認識し、見積書の有効期限短縮と変動条項付き契約という二つの仕組みで対処した点が、この事例の核心です。
「見積段階で資材価格の変動リスクを顧客に丁寧に説明した」という事前コミュニケーションも重要です。施工直前や施工中に「価格が上がりました」と伝えるより、見積段階で「価格が変動する可能性がある」と伝えた方が、顧客の心理的準備が整います。情報を早期に開示することが、後のトラブルを防ぎます。
変動条項付き契約という契約形態は、建設業界では少しずつ普及しています。「以前からそういう契約だから」という業界慣行への抵抗を超えて、新しい契約形態を取引先に提案し受け入れてもらうことには勇気が必要です。しかしこの事例が示すように、丁寧な説明を前提にすれば、顧客も「合理的なリスク分担」として受け入れられます。
※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →