建設業・土木・建築工事等 データ提示型 No.31
公共・民間の特性別戦略で円滑な価格改定を実現
非公開(土木・建築工事等)
この事例のポイント
コスト上昇要因
原材料費・エネルギー・光熱費・人件費・労務費
交渉手法
データ提示型
活用ツール・支援機関
公共・民間別戦略・業界協調
公共民間別戦略業界協調正攻法
当時の課題
- 原材料費・エネルギー価格・人件費の高騰によりコスト上昇圧力が深刻化。
- 公共・民間両事業の性質を見極めた戦略的な価格交渉アプローチが必要。
取組概要
- 公共事業では発注者側から値上げの促しがある一方、民間企業に対しては材料単価増加を理由とした積極的な価格交渉が必要な状況。
- 原材料費や労務費のデータを詳細に収集し原価を緻密に算出して客観的な価格交渉の根拠を整備。
- 公共事業では発注者からの値上げの働きかけを活用し、民間企業に対しては材料単価増加を理由としたストレートな価格交渉を実施。
- ただし周辺企業の値上げ状況を見極め、業界全体に合わせた価格改定を求め市場の混乱を回避。
成果概要
- 緻密な原価算出と戦略的な交渉により価格転嫁は成功。
- 増加した売上を原資に賃上げを実施し人材確保と組織力強化を図り人材育成への投資も可能となった。
副次効果
賃上げ・人材育成投資
森岡誠の解説
価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー
建設・土木工事業で公共事業と民間事業を並行して行い、それぞれ異なる価格交渉アプローチが必要な方に、読んでほしい事例です。
この事例のポイントは、公共と民間で交渉戦略を使い分けたことです。公共事業では発注者側からの促しを活用しながら積算基準に基づく正当な請求を行い、民間事業では材料単価増加のデータを持参した積極的な交渉を行った。一律のアプローチではなく、相手の性質に応じた戦略設計が価格転嫁の実現率を高めています。
賃上げと人材育成投資を実現できたという成果は、価格転嫁が人への投資につながった証拠です。建設業における人材不足は構造的な問題ですが、適正利益を確保することで給与水準を上げ、技能者の定着を図ることができます。
業界協調という要素も見逃せません。建設業全体として適正価格での取引を目指す動きと連動することで、個社の交渉が業界標準の確立につながります。業界団体や業界慣行を味方につけた正攻法が、この事例の持続性を支えています。
※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →