建設業・建築・大工工事 関係構築型 事業転換型 No.29

属性別戦略で市場を開拓し、クロスノウハウを獲得

S社(建築・大工工事)

この事例のポイント

コスト上昇要因

原材料費

交渉手法

関係構築型・事業転換型

活用ツール・支援機関

資金計画・属性別提案・リノベーション対応

属性別提案資金計画リノベーション

出典より

経済産業省 中小企業庁「業種別 価格交渉・価格転嫁 成功事例集」 ↗

※ 本事例は出典をもとに編集・再構成しています。社名はイニシャル表記にしています。

当時の課題

  • 建築資材価格の急激な高騰に加え、新築市場縮小と大手メーカー参入により競争が激化。
  • 既存顧客の高齢化が進み第一次取得層への顧客転換が重要な経営課題。

取組概要

  • 顧客属性に応じた最適な選択肢の提案と、リスク回避を重視した資金計画の徹底で価格転嫁に成功。
  • 住宅ローンの追加融資が困難であるという特性を踏まえ、トラブル回避を最優先に入念な資金計画を策定。
  • 顧客の年収データと借入可能額を詳細に分析しながら全体予算を段階的に顧客と共有することで価格上昇への理解を得る仕組みを構築。
  • 「銀行融資を伴う大型リノベーション」への対応力を強みに小売店や飲食店からの引き合いも大幅に増加。

成果概要

  • 価格転嫁を実施しながら受注拡大を実現するという一見矛盾する成果を達成。
  • 「新築業界×リフォーム業界」「事業計画支援×建業」というクロスノウハウを獲得。

副次効果

受注拡大・クロスノウハウ獲得

森岡誠

森岡誠の解説

価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー

建設業・住宅業で建築資材の急騰と市場縮小が重なり、どう生き残るか戦略を模索している方に、読んでほしい事例です。

この事例が示す核心は、価格転嫁と受注拡大を同時に実現したことです。通常、値上げをすれば需要が減ります。しかし顧客属性を分析し、住宅ローンの制約を踏まえたリスク回避型の資金計画提案を行ったことで、高い価格でも選ばれる状況を作り出しました。

「新築業界×リフォーム業界」「事業計画支援×建業」というクロスノウハウの獲得が、競合との差別化を生んでいます。市場が縮小する中での生存戦略として、一つの事業領域にとどまらず隣接領域の知見を組み合わせる発想が機能しています。

建設業の価格転嫁は、資材価格の上昇という外部要因を伝えるだけでは不十分です。「なぜこの価格でこの施工会社を選ぶべきか」という顧客への価値提案が、価格の正当性を支えます。市場が厳しい時こそ、顧客が感じる価値を高める取り組みが価格競争から抜け出す道筋になります。

※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →

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