トラック運送ノウハウ・ハンドブック等を活用し運賃20%UPを実現
K社(一般貨物自動車運送業・倉庫業(埼玉県・従業員22名))
この事例のポイント
コスト上昇要因
エネルギー・光熱費・人件費・労務費
交渉手法
データ提示型・制度活用型
活用ツール・支援機関
埼玉県伴走型支援
定量的な成果
運賃20%UP、従業員待遇改善
当時の課題
- 燃料費高騰と2024年問題によるドライバー人件費上昇で経営圧迫。
- 積荷1キロ当たり運賃の改定が急務。
取組概要
- 国交省の『トラック運送事業者のための価格交渉ノウハウ・ハンドブック』等6つの資料を準備。
- 運賃の20%アップを着地点に交渉を開始し、燃料費・消費者物価指数の推移データを根拠として提示。
成果概要
- 積荷1キロ当たり20%の運賃アップを実現。
- 賃上げも可能に。
副次効果
価格交渉ノウハウの社内蓄積・ドライバーの待遇改善
森岡誠の解説
価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー
運輸・物流業で、燃料費高騰と2024年問題による人件費上昇という二重のコスト圧力に直面し、積荷単価の改定を検討している経営者に読んでほしい事例です。国交省の公式ハンドブック等6つの資料を準備して交渉に臨み、運賃20%アップを実現しました。
この事例で学ぶべきは「根拠資料を複数の公的な出所から揃える」というアプローチです。一つの資料でも価格交渉は可能ですが、複数の公的ドキュメントを組み合わせることで、「業界全体のコスト構造の変化」という大きな文脈での説明が可能になります。個社の事情ではなく、社会的・産業的な変化への対応として位置付けることが、荷主側の理解を得やすくします。
燃料費と消費者物価指数の推移データを根拠として提示した点も重要です。物価全般の上昇を示す消費者物価指数は、「コストだけが上がっている」のではなく「社会全体が物価上昇局面にある」という文脈を示します。運送会社だけが価格を据え置いている不合理さを、間接的に示す効果があります。
「着地点を20%アップと定めて交渉を開始した」という戦略も参考になります。最終的に着地してほしい水準を決めた上で交渉に入ることで、「どこで妥協するか」ではなく「目標に向けてどう交渉するか」という思考になります。目標を明確にした交渉は、目標なしの交渉より高い成果をもたらします。
※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →