建設業・住宅建築 データ提示型 No.60
赤字工事の常態化から脱却、人工単価の値上げに成功
非公開(住宅建築業)
この事例のポイント
コスト上昇要因
人件費・労務費・原材料費
交渉手法
データ提示型
活用ツール・支援機関
長野県価格転嫁サポートセミナー
定量的な成果
人工単価値上げ成功
人工単価/赤字工事脱却/収支可視化
当時の課題
- 赤字工事が常態化しており、職人の人工単価が長年据え置き。
取組概要
- 工事ごとの収支を可視化し、赤字工事の実態を数値化。
- 人工単価の根拠を明確にして元請けと交渉。
成果概要
- 人工単価の値上げに成功し、赤字工事の常態化から脱却。
副次効果
職人の処遇改善
森岡誠の解説
価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー
建設業(住宅建築)で、赤字工事が常態化しているが、職人の人工単価の値上げ交渉を元請けにどう切り出すか悩んでいる経営者に読んでほしい事例です。工事ごとの収支を可視化し、赤字の実態を数字で示したことが、元請けとの交渉を動かしました。
この事例から学ぶべき最も重要な点は、「感情的な訴えではなく、数字で赤字を証明した」という方法論です。「厳しい」「困っている」という言葉は届きにくいですが、「この工事では○円の赤字が出ている」という具体的な数字は、元請けの担当者が社内で稟議を上げる際の資料にもなります。発注側の担当者も「値上げを受け入れる理由」を社内に説明しなければならない立場にあります。その担当者が使える数字を提供することが、交渉を前に進めます。
「赤字工事の常態化から脱却」という成果の重みも理解すべきです。赤字工事を続けることは、単に収益の問題だけでなく、職人の賃金水準の停滞、設備投資の停滞、後継者・若手職人の確保困難という連鎖的な問題を生みます。人工単価の適正化は、業界全体の持続可能性にかかわる問題でもあります。
工事ごとの収支を可視化するという仕組みの整備そのものが、今後の継続的な価格管理の基盤になります。一度仕組みを作れば、次の交渉でも同じ論理で根拠を示せます。価格交渉の準備は、日常的な原価管理の延長線上にあります。
※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →