卸売・小売業・食品 付加価値型 事業転換型 No.19

魅力を再定義し、体験価値の提供でブランド刷新

K社(菓子製造販売)

この事例のポイント

コスト上昇要因

原材料費

交渉手法

付加価値型・事業転換型

活用ツール・支援機関

事業再構築補助金・カフェ併設・外部デザイナー

定量的な成果

繁忙期月間売上1,100万円超

体験価値リブランディング客単価向上

出典より

経済産業省 中小企業庁「業種別 価格交渉・価格転嫁 成功事例集」 ↗

※ 本事例は出典をもとに編集・再構成しています。社名はイニシャル表記にしています。

当時の課題

  • 顧客の高齢化や原材料費高騰という構造的課題に直面。
  • 老舗としての看板商品を守りつつ新たな客層を獲得するための抜本的なリブランディングが求められていた。

取組概要

  • 全国の菓子屋によるカフェ併設型店舗への視察を重ね、防衛的値上げと価格転嫁型値上げの両輪で取組方針を決定。
  • 看板商品の「リッブルバイ」は5年間かけて20〜30円ずつ価格を改定。
  • 事業再構築補助金を活用しカフェ併設型の新店舗を開設。
  • 外部デザイナーによるデザインの刷新と11代目の修業経験やデザインスキルとともに若い世代の感性を積極的に取り入れる文化を醸成。

成果概要

  • 新店舗は繁忙期の月間売上が1,100万円を超えるなどブランドの象徴的存在となり既存店での価格改定も円滑に進行。
  • 百貨店やメディアからの評価も高まり山形への観光誘客という新たな役割も担い始めている。

副次効果

ブランド刷新・観光誘客

森岡誠

森岡誠の解説

価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー

老舗菓子店・食品店で顧客の高齢化と原材料費高騰という二重苦に直面し、看板商品を守りながら新客層を獲得したい方に、読んでほしい事例です。

この事例が示す戦略は「防衛的値上げ」と「価格転嫁型値上げ」の両輪です。看板商品を5年間かけて少しずつ上げながら、カフェ併設という新店舗で体験価値を確立した。段階的な価格改定が顧客の抵抗を和らげ、新店舗の成功が既存店の値上げに正当性を与えるという相互補完の設計です。

繁忙期の月間売上1,100万円超という新店舗の成功は、体験価値という「価格の見えにくい価値」を商品化した成果です。お菓子を食べるだけでなく「老舗で過ごす体験」に価格を付けることで、客単価と来店頻度の両方が向上しました。

老舗の看板は価格転嫁のネックになりがちですが、正しく活用すればブランドプレミアムの源泉になります。長年の歴史と品質が「なぜこの価格か」の答えになる。リブランディングは過去を否定するのではなく、過去の価値を現代の顧客に翻訳することです。

※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →

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