卸売・小売業・食品 付加価値型 No.18

社会的価値を付加し、約17〜20%の単価向上

O社(食加工品販売)

この事例のポイント

コスト上昇要因

人件費・労務費・その他

交渉手法

付加価値型

活用ツール・支援機関

B級品活用・地域貢献ブランディング

定量的な成果

物販単価+20%/飲食単価+17%

社会的価値B級品活用三方よし

出典より

経済産業省 中小企業庁「業種別 価格交渉・価格転嫁 成功事例集」 ↗

※ 本事例は出典をもとに編集・再構成しています。社名はイニシャル表記にしています。

当時の課題

  • コロナ禍とHACCP対応の環境変化により人手・加工工場不足が深刻化。
  • 製品の安定供給が困難となり自社の経営課題も浮き彫りに。

取組概要

  • 多角的な価値向上戦略を実行。
  • 市場トレンドや業界手法を分析し、「今あるモノを進化させる」方針で商品を再構築。
  • 農家のB級品を適正価格で全て買い取り生産者の負担を軽減し、B級品を高付加価値商品へと進化させて販売。
  • 「産地消による地域貢献」という価値を商品に付加しブランドイメージを向上。

成果概要

  • 物販の平均単価は1,377円から1,657円(約20%増)へ、飲食は1,101円から1,286円(約17%増)へと上昇。
  • 地域全体の意識向上と連携強化を促す好循環も生まれた。

副次効果

地域連携強化

森岡誠

森岡誠の解説

価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー

食品加工品の卸売・小売業で、コロナ後の需要変化や人手不足の中、価格改定を検討している方に、読んでほしい事例です。

この事例の発想の起点は「今あるモノを進化させる」という方針です。新商品を開発するのではなく、既存商品の価値を再構築することで単価を上げた。農家のB級品を適正価格で全て買い取るという取り組みが生産者の負担を軽減し、地域との連携を強めながら商品の独自性を確立しました。

物販+20%・飲食+17%という単価上昇は、「社会的価値」を商品に組み込んだ結果です。地産地消・生産者支援・食品ロス削減という文脈が価格の正当性を生み、価格意識の高い顧客層を引き寄せました。価格を上げることが、共感する顧客を選ぶフィルターになっています。

三方よしの発想は、サプライチェーン全体の価値設計につながります。生産者・消費者・自社の三者にとって意味のある価格体系を作ることが、持続的な価格転嫁の基盤です。誰かを犠牲にした価格改定は長続きしない。この原則がこの事例の底流にあります。

※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →

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