製造業・精密部品 付加価値型 データ提示型 No.93

ほぼ100%の価格転嫁を達成

K社(精密部品の製造(兵庫県・従業員80名))

この事例のポイント

コスト上昇要因

原材料費・エネルギー・光熱費

交渉手法

付加価値型・データ提示型

活用ツール・支援機関

近畿経済産業局

定量的な成果

転嫁率ほぼ100%

精密部品/品質保証/ほぼ100%転嫁

出典より

近畿経済産業局 価格交渉・価格転嫁取組事例集 ↗

※ 本事例は出典をもとに編集・再構成しています。社名はイニシャル表記にしています。

当時の課題

  • 原材料費・エネルギーコストの上昇に対し、精密部品の品質維持と価格転嫁の両立が課題。

取組概要

  • 精密部品の高い品質と技術力を差別化要因として明確化。
  • 原価データと品質保証体制を根拠に取引先と交渉。

成果概要

  • ほぼ100%の価格転嫁を達成。

副次効果

品質保証体制の強化

森岡誠

森岡誠の解説

価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー

精密部品製造業で、高い品質基準を維持しながらも原材料費・エネルギーコストの上昇を価格に転嫁できていない経営者に読んでほしい事例です。「品質保証体制」という付加価値を、原価データと組み合わせて提示することで、ほぼ100%の転嫁を達成しました。

精密部品の価値は「加工の精度」と「品質の安定性」にあります。この価値は目に見えにくいですが、不良品が発生した場合の取引先への影響(ライン停止・リコールリスク)を考えれば、精密部品の信頼性に対する適正な対価の支払いは、取引先にとっても合理的な判断です。「品質保証に対してもコストがかかっている」という点を明示することが、付加価値型交渉の核心です。

「品質保証体制を根拠に」という表現は、具体的には「検査工程の工数・設備投資・資格維持コスト」などをコスト構成に含めることを意味します。品質維持にかかるコストを可視化することで、「単なる値上げ」ではなく「品質保証への適正な投資の転嫁」という文脈で交渉を進められます。

ほぼ100%の転嫁率は、自社の代替困難性を正しく理解し、それを根拠として活用した結果です。代替が難しい高品質な製品を供給している場合、取引先は「ここの価格が上がるなら仕方ない」という判断をします。自社の強みの客観的な評価が、価格交渉力の源泉です。

※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →

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