製造業・ゴムローラー製造 付加価値型 データ提示型 No.89

独自技術と品質を武器に100%の価格転嫁を達成

K社(各種ゴムローラーの製造販売(大阪府東大阪市・従業員61名))

この事例のポイント

コスト上昇要因

原材料費・エネルギー・光熱費

交渉手法

付加価値型・データ提示型

活用ツール・支援機関

近畿経済産業局

定量的な成果

転嫁率100%

独自技術/100%転嫁/品質訴求

出典より

近畿経済産業局 価格交渉・価格転嫁取組事例集 ↗

※ 本事例は出典をもとに編集・再構成しています。社名はイニシャル表記にしています。

当時の課題

  • 原材料費・エネルギーコストの上昇に対し、価格転嫁が課題。

取組概要

  • 他社にない独自のゴムローラー製造技術と品質を差別化要因として訴求。
  • 原価データとともに技術的優位性を説明し、取引先の理解を獲得。

成果概要

  • 100%の価格転嫁を達成。

副次効果

技術力の再評価と取引先との関係深化

森岡誠

森岡誠の解説

価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー

ゴムローラー製造業で、独自技術を持ちながらその価値が価格に十分反映されていないと感じている経営者に、特に読んでほしい事例です。100%の価格転嫁率という成果は、技術的優位性の正確な訴求によって達成されました。

「転嫁率100%」という数字は、コスト上昇分が全て価格に転嫁されたことを意味します。多くの企業が60〜70%台の転嫁にとどまる中、100%を達成した背景には、「他社にない独自技術」という強力な差別化根拠があります。代替が難しい製品・サービスを提供している場合、顧客の価格交渉力は弱まり、提供者の価格決定権が高まります。

「原価データとともに技術的優位性を説明した」という組み合わせが重要です。コストデータだけでは「上げてほしい」という要求になりますが、技術的優位性の説明が加わることで「この技術を維持するための適正価格」という文脈が生まれます。取引先にとっても、この独自技術を失うことのコスト(代替先の探索・品質低下・切り替えコスト)を考えれば、価格転嫁を受け入れる合理性があります。

この事例が示す普遍的な教訓は「技術力の高さと交渉力の高さは比例する」という原則です。しかしその前提として、技術力の高さを「取引先が理解できる言葉で説明できること」が必要です。自社の強みを言語化し、伝える能力が、技術力を交渉力に変換します。

※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →

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