製造業・化学・機械・加工紙 データ提示型 付加価値型 No.7
技術提案とエビデンス提示で付加価値転嫁を実現
非公開(家電機器部品製造)
この事例のポイント
コスト上昇要因
原材料費
交渉手法
データ提示型・付加価値型
活用ツール・支援機関
エビデンス資料・技術提案
技術提案付加価値エビデンス
当時の課題
- プラスチック原料などの原材料費が高騰し収益性の悪化が深刻化。
- 特に石油由来製品のため国際情勢の影響を大きく受け事業継続が困難な状況。
取組概要
- 引き合い段階から取引条件を確認することを徹底。
- 原材料費や労務費のデータを詳細に収集し原価計算と自社製品の単価計算を実施。
- 価格転嫁の説明資料を作成し「値上げの必要性を担保するエビデンスの提示」「値上げ額の妥当性の説明」「当社の努力」の3点を明示。
- 技術提案も設計段階から積極的に行い、付加価値を伴った提案で価格以上の価値提供ができるよう意識。
成果概要
- 順調に価格転嫁が実現し、売上の増加とともに利益率の改善を同時に達成。
- 設計段階からの技術提案により単なるコスト転嫁を超えた付加価値が評価され顧客との関係性も強化。
副次効果
顧客関係強化・付加価値評価
森岡誠の解説
価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー
製造業でプラスチック原料など石油由来製品のコスト高騰に直面し、国際情勢に左右されるコスト上昇への対応に悩んでいる方に、読んでほしい事例です。
この事例が示す重要な視点は、「値上げのお願い」を「技術提案」に変えたことです。引き合い段階から原価計算を徹底し、価格転嫁の説明資料を整備しながら、同時に設計段階からの技術提案を積極化した。コスト転嫁の交渉をしながら付加価値の提供も行うことで、相手にとっての「受け取る価値」が上がりました。
売上増加と利益率改善を同時に達成した点が注目です。通常、値上げは売上を下げるリスクを伴いますが、付加価値型の提案が新たな取引機会も生んでいます。価格転嫁を「コスト削減の交渉」として捉えるより「価値再定義の機会」として捉えると、結果が変わることをこの事例は示しています。
価格交渉と技術提案を分離して考える必要はありません。むしろ同時に行うことで、相手から見た「取引の意味」が変わります。コストが上がった局面を、関係性を深めるタイミングとして活用する発想が、付加価値型交渉の本質です。
※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →