製造業・自動車部品塗装 データ提示型 No.67
1品ごとの実際原価算出で最大単価200%UPを実現
非公開(自動車部品等塗装業)
この事例のポイント
コスト上昇要因
原材料費・エネルギー・光熱費
交渉手法
データ提示型
活用ツール・支援機関
長野県価格転嫁サポートセミナー
定量的な成果
最大単価200%UP
製品別原価/200%UP/赤字製品特定
当時の課題
- 製品別の原価を把握できておらず、一律の見積もりで対応していた。
取組概要
- 1品ごとに実際の原価を算出し、製品別の適正価格を根拠として提示。
- 赤字製品を特定し、重点的に交渉。
成果概要
- 最大で単価200%UPを実現。
副次効果
製品別原価管理体制の構築
森岡誠の解説
価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー
自動車部品塗装業で、全製品を一律の見積もりで対応しており、製品別の採算が把握できていない経営者に読んでほしい事例です。1品ごとの実際原価を算出することで、最大単価200%UPを実現した事例です。
1品ごとの原価算出という作業は、手間がかかります。しかしこの事例が示すように、その作業なしには「どの製品がどれだけ赤字か」を知ることはできません。一律の見積もり対応では、収益貢献度の高い製品と赤字製品が混在したまま、全体として薄利多売が続きます。製品別の原価把握は、戦略的な価格交渉の前提条件です。
「赤字製品を特定し重点的に交渉した」というアプローチは、前述の事例(No.61)で紹介した「採算性の低い取引先から優先交渉」という発想と共通しています。交渉の優先順位を「重要な取引先」ではなく「最も改善効果が大きい製品・取引先」で設定することが、交渉リソースの最適配分につながります。
最大200%UPという数字は、従来の単価がいかに実際原価を下回っていたかを示しています。この数字に驚くよりも、「長年この価格で引き受けていた」という現実を直視することが重要です。原価を知らずに価格を設定することは、利益を知らずに経営することと同義です。製品別の原価計算は、価格交渉の準備であると同時に、経営の健全化そのものです。
※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →