製造業・自動車部品 データ提示型 No.59

受注単価10年据え置きから部品ごと1〜6割の値上げに成功

非公開(自動車部品製造業)

この事例のポイント

コスト上昇要因

原材料費・エネルギー・光熱費

交渉手法

データ提示型

活用ツール・支援機関

長野県価格転嫁サポートセミナー

定量的な成果

部品別1〜6割値上げ、数期ぶり黒字転換

部品別値上げ/黒字転換/セミナー活用

出典より

長野県価格転嫁成功事例集1.0 ↗

※ 本事例は出典をもとに編集・再構成しています。社名はイニシャル表記にしています。

当時の課題

  • 受注単価が10年間据え置きで利益が圧迫。
  • 赤字経営が続いていた。

取組概要

  • 長野県価格転嫁サポートセミナー受講後、部品ごとの実際原価を算出。
  • 値上げ幅を部品別に1〜6割で設定し取引先と個別交渉を実施。

成果概要

  • 部品ごとに1〜6割の値上げに成功し、数期ぶりに黒字転換。

副次効果

経営安定化・赤字脱却

森岡誠

森岡誠の解説

価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー

自動車部品製造業で、受注単価が長年据え置かれ赤字経営が続いている経営者に、特に読んでほしい事例です。「部品ごとに原価を算出し、値上げ幅を部品別に設定して個別交渉する」という手法が、数期ぶりの黒字転換につながりました。

この事例の核心は、「全部品を一律に値上げする」のではなく、「部品ごとの原価を個別に算出し、1〜6割という幅のある値上げ幅を設定した」という精緻さです。部品によって原価構成・コスト上昇の影響度・利益率は異なります。その差を無視した一律交渉では、取引先に「根拠がない」と感じさせるリスクがあります。部品別の個別根拠が、交渉の説得力を高めます。

10年間の単価据え置きという状況は珍しくありませんが、この問題の本質は「単価が固まるにつれて根拠が薄れていく」という点にあります。長期間交渉を行っていない場合、実際の原価計算から出発し直すことで、「適正価格がいくらか」を一から確認する必要があります。この事業者が長野県のセミナー参加後に行動できたのは、「部品ごとの実際原価算出」という基礎的な準備を経ているからです。

支援機関を活用して「行動のきっかけ」を作った点も重要です。十数年間変えられなかったことを変えるには、内部の論理だけでなく、外部の知見や支援が後押しになることがあります。一人で抱え込まず、セミナーや支援機関に相談することが、最初の一歩を踏み出す助けになります。

※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →

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