製造業・アルミダイカスト データ提示型 No.80

原価データの可視化と丁寧な説明で価格転嫁を実現

N社(アルミダイカスト製品の製造(栃木県・従業員120名))

この事例のポイント

コスト上昇要因

原材料費

交渉手法

データ提示型

活用ツール・支援機関

栃木県工業振興課・よろず支援拠点

原価可視化/データ提示/信頼構築

出典より

栃木県価格転嫁好事例集 ↗

※ 本事例は出典をもとに編集・再構成しています。社名はイニシャル表記にしています。

当時の課題

  • アルミ地金価格の高騰により原価が上昇。
  • これまで価格交渉の経験が乏しかった。

取組概要

  • 製品ごとの原価構成を可視化し、アルミ地金の市場価格推移データと合わせて取引先に提示。
  • 背景・方法・効果の3視点で体系的に説明。

成果概要

  • 取引先の理解を得て原材料高騰分の価格転嫁を実現。

副次効果

取引先との信頼関係強化・原価管理体制の構築

森岡誠

森岡誠の解説

価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー

アルミダイカスト製造業で、原材料価格の高騰への対応として価格交渉を始めたいが、これまで経験が乏しく踏み出せない経営者に読んでほしい事例です。「背景・方法・効果の3視点で体系的に説明する」という資料構成の設計が、取引先の理解を得る鍵になりました。

「製品ごとの原価構成の可視化」と「アルミ地金の市場価格推移データ」という二種類の資料を組み合わせた点が、この事例の説得力の源泉です。原価構成で「何に費用がかかっているか」を示し、市場価格推移で「なぜ今上がっているか」を示す——この組み合わせにより、「原材料が上がった→だから価格を上げなければならない」という因果関係が明確になります。

「背景・方法・効果」という3視点での体系的な説明は、取引先の担当者が社内で稟議を通す際にも使える構成です。「なぜ価格を上げるのか(背景)」「どのように計算したか(方法)」「この転嫁を受け入れることで何が守られるか(効果)」という流れは、決裁権者への説明資料として機能します。交渉は相手の担当者を通した社内説得でもあります。

価格交渉の経験が乏しかったにもかかわらず成功した背景には、こうした準備の徹底があります。経験がなくても、準備で補うことができるという事実が、多くの経営者にとっての励みになるはずです。

※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →

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