5社中4社との交渉に成功、受注単価3倍の製品も
非公開(金属製品塗装業)
この事例のポイント
コスト上昇要因
原材料費・エネルギー・光熱費
交渉手法
データ提示型
活用ツール・支援機関
長野県価格転嫁サポートセミナー・よろず支援拠点
定量的な成果
5社中4社交渉成功、一部受注単価3倍
当時の課題
- 原材料費・エネルギーコストの上昇に対し価格据え置きが続いていた。
取組概要
- セミナー参加後に全取引先5社と交渉を実施。
- 製品別の実際原価を算出し、根拠データとともに値上げを提案。
成果概要
- 5社中4社との交渉に成功。
- 一部製品で受注単価が3倍に。
副次効果
収益の大幅改善
森岡誠の解説
価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー
金属製品塗装業で、原材料費・エネルギーコストの上昇を受け価格交渉を始めたいが、取引先全社と一度に交渉できるか不安を感じている経営者に読んでほしい事例です。5社中4社の交渉成功という結果は、「根拠のある交渉は高い確率で通る」という現実を示しています。
この事例の特筆すべき点は、セミナー参加後に「全取引先5社と交渉を実施した」という行動力です。多くの経営者が「まず1社だけ試してから」と慎重になりがちですが、全先への一斉交渉は、業界全体のコスト環境が変化している場合には合理的な選択です。「うちだけ値上げを求めている」のではなく、「業界全体のコストが上がっている」という共通認識の中では、複数先への同時交渉は整合性のある行動として受け止められます。
製品別の実際原価を算出して根拠データとともに提示したことが、「一部製品で受注単価3倍」という大幅な値上げを可能にしました。一律の値上げ率ではなく、製品別の原価に基づく個別設定が、「合理的な価格改定」として受け入れられやすくなります。5社中4社成功という結果は、根拠のある交渉がいかに有効かを示しています。
5社中1社が交渉を断ったという事実も、重要な情報です。その1社との取引は継続するかどうかという判断材料になりますが、4社から適正価格を得ることができれば、1社を失うリスクと天秤にかけた経営判断ができます。全取引先との交渉を行ったことで、この判断材料が揃いました。
※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →