製造業・食品 付加価値型 事業転換型 No.14
品目絞り込みと空調投資で高収益・高付加価値化へ
非公開(和菓子製造)
この事例のポイント
コスト上昇要因
原材料費・人件費・労務費・その他
交渉手法
付加価値型・事業転換型
活用ツール・支援機関
製造ライン効率化・品目絞り込み
定量的な成果
製造数量8%減/売上102%維持
選択と集中構造改革生産性向上
当時の課題
- 猛暑による原料確保の難航や固定価格イメージにより収益が圧迫。
- 老朽化設備の維持や人件費増に対応するため利益を確保できる体制への転換を余儀なくされた。
取組概要
- 2025年2月より全商品で15〜20%の値上げを実施。
- 数年間かけて製造ラインの効率化と商品ラインナップの絞り込みを徹底。
- 残業代などの固定費削減や原材料の選定を見直すことでコスト構造の最適化を追求。
- 出荷場への空調設備完備といった職場環境の改善にも注力し、品質管理を通じて付加価値を高めた。
成果概要
- 製造数量は8%減少したものの売上は前年比102%を記録。
- 品目を絞ったことで工場の運用効率が向上し、無理な残業を抑制できたことで健全な働き方も実現。
- 利益率も着実に改善。
副次効果
健全な働き方実現
森岡誠の解説
価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー
和菓子・食品製造業で、老舗としての価格据え置きのプレッシャーに縛られながらコスト上昇に苦しんでいる方に、読んでほしい事例です。
この事例のポイントは、15〜20%という思い切った値上げと同時に、商品ラインナップの絞り込みを実行したことです。価格を上げながら品目を減らすことで、製造効率が向上し無理な残業を抑制できた。「値上げ」と「選択と集中」をセットで行う構造改革が、製造数量8%減でも売上102%を実現した要因です。
「製造数量が減って売上が増える」という結果は、低採算の商品を手放したことで起きた。薄利多売から脱却するとき、量の減少を恐れず質への集中を選ぶ決断が必要です。健全な働き方が実現されたという副次効果も、ビジネスの持続性を高めます。
老舗であることは価格転嫁のハードルにもなりますが、「老舗の品質」は価格を支える資産でもあります。値上げの正当性を「コストが上がったから」ではなく「この品質を維持するため」という文脈で伝えることが、顧客の理解を得る鍵になります。
※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →